お弁当。「いつも同じものしか食べないんです」「好き嫌いが多くて」というお母さんの声。食べ物のこだわりも療育として取り組んでいます。パオのお部屋だけでなく、どこでも、食べられるようになると、お出かけが楽しくなってきます!そのためには、子どもに合わせた日々の手指の訓練の積み重ねが大切です。
手先の巧緻性。フォーク・スプーン・エジソン箸・箸。
回内持ち(親指が内側)、回外持ち(親指が外側)、静的三指握り・動的三指握りまで、少しずつ、焦らずまいりましょう。パオでは、左手でお弁当箱を支え、次に左手でお弁当箱を持って食べる練習をします。
私たちパオでは、食事も療育と考え、昼食の時間を設けています。発達に偏りのある子どもたちが、食事は楽しいと感じるようになるには、摂食指導の積み重ねが大切です。
食べ物を上手に食べるには、
などの各機能の発達を必要とします。
摂食機能の発達には順序性があり、食べる機能を促す訓練は、発達に応じた形態の食べ物を用います。 食べる機能を促すために、ひとりひとりに応じた食べ物の形態については、常勤の栄養士がご相談に応じています。
食べ物をこぼす・口の中にためる・丸のみ・口の周りを汚すなどの食べ方を、発達特性の視点で観察していきます。口の中や口の周りの動きをよくするためにマッサージなどの働きかけを行うと、徐々に口を閉じて食べられるようになっていきます。ご遠慮なくご相談ください。
パオでは、ひとりひとりの子どもに応じた発達段階を見立ていきます。子どもに合わせた持ち方と次のステップに移行するための提案、提案に合わせた手指の機能訓練、多様な「つまむ物」を使い、つまみ動作の練習を重ねた療育を行います。
歩き食べについてのご相談が多くあります。叱っても座りたがらないので、食べてくれればいいという思いで、あきらめている保護者の方の声を多く聴きます。
パオでは、始まりの会や終わりの会、手指の機能訓練を通し、子どもの関心や興味に応じた注視教材や手指作業を通し、着席時間を延ばしていきます。気が付かないうちに座っていたという体験を通し、子どもの中に「止める」というボディーイメージを育てていきます。
子ども自身が自分で体を「止める」ことを身につけて、はじめて正しく体を動かせるようになると考えています。
「止める」を身につけると、座ってご飯が食べられるようになるだけでなく、学習や手先の機能訓練が持続するようになり、より集中して机上学習に取り組めるようになります。
好き嫌いというより、偏食の場合が多くみられます。
偏食が強くなると、こだわりに発展し食べられるものが少なくなっていきます。少しずつ偏食を克服していくと、いつのまにか全体的なこだわりも減ってきます。
保護者の方から、食事以外でも思い通りにいかないと所構わずひっくり返っていたが、偏食指導を通して少しずつ変化がみられるようになり、大人の指示に従えることが一つずつ増えてきた、いつの間にか食事の時間が楽しくなったというお話を聞きます。パオでの昼食に慣れてきたら、少しずつ苦手なものにチャレンジしていきます。
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